ドーナツとコーヒーカップ

 

リケジョ鈴木の登場

こんにちは!アドベントカレンダー滑り込み15日目です!鈴木です!

ドーナツとコーヒーカップ。みなさんは何を想像しますか?

お茶会でしょうか。ミスドでしょうか。それとも…数学でしょうか。

私は大学で数学を勉強しています。

だからといってメチャメチャ数学できるとか、変人だとか、そういう訳ではないのですが。

この3年間で自分なりに学んだ数学についてやわっこくお話したいと思います。

 

大学での数学って?

工学部にとっての「数学」

電通大生の皆さんに聞いてみました。

工学部や情報系学部の方々は数学のことを「道具」と思う人たちが多いようです。

テストなどで「マクローリン展開」などを使っているのでしょう。

 

高校との数学の違いは、数学は単なる計算問題ではないということです。

皆さんいい線をついています。さすが電通大生です。

 

数学科にとっての「数学」

私にとっての数学は、「何が何でも定義が大事」ということです。

数学における定義とは絶対に揺るがないものであり、

定義がしっかりしていないと数学は破綻してしまいます。

定義イズゴッドですほんとに。

ここで問題です!!

皆さんは三角形の定義が言えますか?

さすがの電通大生もこれには苦戦ですね。あっけない。

答えは…「同一直線上にない3点を直線で結んだ図形」です。

皆さんはちゃんと答えられたでしょうか?

 

また、その定義の上で「ある条件がそろえば成り立つものがあること」に気づきます。

それを定理・命題・系などと呼びます。

この定義の上で、三角形にとっての定理が生まれます。

たとえば「三平方の定理」です。

結局両者の違いというのは。

「定義がある」→「定義の上で成り立つ定理・命題・系を見つける」

数学者たちはその定理・命題・系の「証明」を練る

工学部の人たちはそれらを「道具」として使っている

という感じではないでしょうか。

 

幾何学

数学にも色々分野はありますが私は幾何学が一番好きです!!

一言で言うと「図形・空間の性質について学ぶ」分野です。

高校数学で「合同(記号:≡)」「相似(記号:∽)」などやりませんでしたか?

三角形という「定義」があり、合同(相似)という「定義」があります。

そしてある条件を満たせば合同(相似)になるという「条件」がでてくるのです。

これらは「図形の性質」についての数学です。

ドーナツとコーヒーカップ

数学の世界において「ドーナツとコーヒーカップは同じ」と言われることがあります。

これはある「空間の性質」の上に成り立ちます。

 

中学校や高校で習った数学は数直線や平面とかのユークリッド空間(距離空間という空間で成り立っていました。

ユークリッド空間には長さとか、角度といった概念があって図形の大きさや形が意味を持っています。

その考えにおいては形が違うのでドーナツとコーヒカップは同じではありません。

じゃあどう考えると同じになるのか?

それは「位相空間」という考えです。

位相空間には長さや角度といった概念がありません。

「位相空間」とは、距離がない空間です。

粘土みたいにこねこねして形を変えられるのです。

だから「ドーナツとコーヒーカップは同じ」とみなせるのです。

そして位相空間上で同じ物体は「同相」と呼ばれます。

ちなみに、このドーナツはソリッドトーラス(中身の詰まったトーラス)と呼ばれます。

これらは「同相」でしょうか?

 

 

 

 

答えは,,,位相幾何学の範囲においては「同じ図形」です。

角なんて関係ない。こねこねしたら全部まるになります。同相です。

 

じゃあこの2つは「同相」でしょうか?

 

 

 

 

 

これもまた…「同相」です。

こんなかんじの変形をします。

伝わってほしい。

 

 

なんだか面白くないですか?

これはトポロジー(位相幾何学)という分野です。

ちなみに、私のノートはこういった絵だらけです。

 

高校では数字・記号が主だったのに幾何学ではたくさんの絵と向かい合って数学をするのです。

私は、その新しさに幾何学に惹かれました。

 

で、数学やってなんになるの?

工学部「数学勉強しても意味ないじゃん(ただの道具じゃん)。」

数学のレポートをやってると「それやって何の意味になるの?」って言われます。

同じことを私の研究室の先生に聞いたら殴られるであろう質問です。

(あとで聞いたら殴りはしないと言っていました。)

正直その度に「うーん…」って悩んでしまうのですが…今日は自分なりに答えを出してみました。

 

知的探究心(知的好奇心)があるから

何か問題(解決したいこと)があってそのためにどうすればいいかを悩む時間って大切ですよね。

この図形とこの図形が違うのだろうか?明らかに違いそうだけど…。

数学では「全員違うって言ってるから違う」はダメなのです。

問題の性質を理解し、「定義」の上でなりたつ「条件」を考える。

そして、「違う」ということを証明するのです。

それの何と楽しいこと!!!(もちろんつらいときもある)

私が数学やってるのは、きっと純粋な好奇心なのです。

 

数学は(マジで)いつか絶対役に立つ

よく言われることですが、数学と現実世界にはギャップがある気がします。

でも!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

今意味なくね?って言われる数学も、いつか、100年後、10年後、

もしかしたら明日にでも応用されて使われるかもしれません。

しかし、だから数学をやっているというわけではなく

数学者様たちは好奇心・探究心のままにガリガリ数学を研究しているんですよ。

やばくないですか?

数学者様たちの何と素晴らしいこと、、、、、、、、。(五体投地)

数学者様たちは、いつか役に立つこの世の理を研究しているのです。

 

だから、まとめると、数学って….