低消費電力かつ長距離通信可能なIoT向け無線通信規格「LoRa」を君は知っているか?

こんにちは、たかけんです。

突然ですが、「LoRa」って知っていますか?
「LoRa」= 「ローラ」と読みますが、天然なハーフタレントや、髭の付いてるガンダムのパイロットの愛称では無いですよ。
今回は、注目の次世代のIoT向け無線通信規格の「LoRa」について紹介します!

まずは、IoTって?

今更ですが、再確認します。
IoT = Internet of Things (モノのインターネット)のことを指します。
明確な定義がある訳ではなく概念的なものですが、人と人とのインターネットが、人とモノ、モノとモノに拡張され、様々な実世界情報を収集しデータ解析できるようになったり、インターネットを介して遠隔地からモノを制御できるようになります。
以前は、M2M(Machine to Machine)など、呼ばれていました。

近年は、ビジネス領域やコンシューマ領域において、技術・ビジネスの両面でAI(人工知能)やAR(拡張現実)などとともに、特に注目されています。
話題になった身近なIoT製品といえば、スマートフォンで開閉できるスマートロックなどがありますね。

僕達も、ハッカソンで度々、IoTプロダクトを開発したりしました。
例えば、インターネットに繋がるスマートライター「ippuQ」とか。

ippuQ:通信機能を備えたライターとスマートフォンアプリによる分煙ソリューション&喫煙管理ツール

無線通信規格

そして、IoTと深い関係があるのが、無線通信です。
Bluetooth、Wi-Fi、3G、LTE、ZigBee、EnOcean、etc… 、様々なIoTで利用できる無線規格が存在します。
そして開発する際は、目的にあったものを選択する必要があります。

Bluetooth(BLE) Wi-Fi 3G LoRa
消費電力 超低電力
(ボタン電池1つで数年稼働)
多い 多い 超低電力
通信距離 2.5mから50m 最大100mくらい ほぼどこでも通信可能 10kmから15km
通信速度 最大1Mbps 最大6.9Gbps 最大14Mbps 最大37.5Kbps

LoRaって何?

LoRaとはLPWA(Low Power Wide Area Network)と呼ばれる無線通信規格の1つです。
では「LPWAって何ですか?」という話ですが、名前が意味する通り、「省電力かつ広範囲まで通信可能」な無線の分類のことを指します。
IoT向けの無線では、BluetoothやWi-Fi、3Gなどが良く使われています。

しかし、BluetoothやWi-Fiでは通信可能距離が短く、3GやLTEでは消費電力が大きく、無線モジュールが高価といった問題がありました。
LPWAの領域において、何が主流な無線規格に何がなるのが注目されています。
LoRaは、その中の有力候補の1つです。LoRa Allianceが制定していて、厳密に言えば、“LoRa”(Long-Rangeの略)は、技術やエコシステム全体を指す総称のようなもので、規格そのものはLoRaWANと呼ばれます。

LoRaの特徴

LPWA全般の特徴でもありますが、以下のようなものが特徴です。

  • 長距離通信が可能(最大15km)
  • 低消費電力
  • 周波数帯にサブギガ帯を使うため免許が不要

特に、LoRaが他のLPWAの無線規格に比べて優れているところは、オープンな規格であることです。
オープンであることは、誰でもその開発に関わることを意味します。

Linux、Raspberry Pi、Arduinoといったオープンソースなソフトウェア、ハードウェアが世界に普及してことを考えると、LoRaもそれに続く、メジャーな無線通信規格になると考えられます。

LoRaを使うには

やっぱり、エンジニアなら気になるのは、ここですよね!
現在、ソフトバンクやソラコムなどの企業が、国内でのLoRaのサービスを始めています。
一般サービスとして提供されているのは2017-03-19現在、ソラコムだけなので、ここではソラコムを例に解説していきます。

LoRaゲートウェイ

(引用:https://soracom.jp/products/lora/

LoRaを利用するには、ネットワークに繋がっているゲートウェイが必要です。
ソラコムでは、所有モデルと共有モデルの2種類が用意されています。
所有モデルでは、プライベートなLoRaネットワークを作ることができます。
共有モデルでは、他のユーザと共有可能なパプリックなLoRaネットワークを作れるようです。

共有モデルの方が、価格が割安なので、個人的にはこちらを使ってみたいです。
料金は、以下のようになっています。

登録費用(初期費用)
24,800円/台 (*1)

月額利用料金
LoRaゲートウェイ利用料:9,980円 /台

まあ、買えますね!
10kmほどカバーするネットワークをこの価格で持てるなんて、まさに革命的です。

LoRaモジュール

おおっぴらに使うには、技適のあるLoRaモジュールを使う必要があります。
現状、LoRaモジュールは、あまり出回っていません。
海外製のものは価格が安いですが、技適が通っていないので、使うと違法になります。
(電波暗室で使う分には、OKです)
こちらの、「LoRa Arduino 開発シールド AL-050」が、一番手軽に入手できて、Arduinoのシールドなので使いやすそうです。
価格は¥ 7,980ですが、ここは技適の通った製品が普及して価格が安くなるのに、期待したいです。

(引用:https://soracom.jp/products/lora/al-050/

データを収集する

他のソラコムのサービスと同様に、収集したデータは、API経由で取得することができるようです。
自前のサーバや、AWSのサービスと連携して、気軽にIoTシステムを構築することができますね。

LoRaのシェアリングエコノミーが面白そう

ソラコムでは、共有ゲートウェイを用いた、LPWAのシェアリングエコノミーのサービスとして展開するようです。

(引用:https://soracom.jp/services/air/lora/gw_offering_model/

つまり、LoRaを使ったサービスを利用したい時に、ゲートウェイを所有していなくても、共有のゲートウェイを使って、サービスを作れるということです。
これは面白いですね!

もっと技術的な情報が知りたい

LoRaに興味を持ったなら、実際にどうやって開発するのか、もっと具体的に知りたいですね。
いくつかピックアップしてみました。
特に、クラスメソッドの記事が参考になりそうです。

まとめ

次世代のIoT向け無線通信規格「LoRa」について、簡単にまとめてみました。
LoRaのサービス化は、始まったばかりで、まだまだこれからですが、かなり面白そうです。
今まで実現できなかったIoTがLoRaで解決できると良いですね。
技術に対して、アンテナを張っておきましょう!